本記事は「XMで両建て取引したいけど、何がOKで何がNGなのかよくわからない」というあなたのために作成した。
たしかにネットやSNSには「両建てしてもバレなかった」「両建てのせいで出金できなかった」など、多岐に渡る情報が出回っているので混乱する気持ちもわかる。
結論からいうと、XMは同一口座内での両建て取引のみOK。
ただ以下の3パターンの両建ては禁止されているので注意が必要だ。
- XM内の複数口座を利用した両建て
- XMと他のFX業者を併用した両建て
- グループ内での両建て
要するに、リスクゼロで利益を上げられるような両建ては認められていないということ。
抵触してしまうと、利益没収されるだけでなく最悪の場合口座が凍結されてお金が戻ってこないこともある。
本記事でXMの両建てに関する正しい知識を身に着けて、口座凍結に怯えることなく自信を持って取引に勤しんでもらえたらこの上ない。
目次
そもそも両建て取引とは

両建て取引とは、同一の通貨ペアで「売り(ショート)」と「買い(ロング)」両方のポジションを持つこと。
例えばドルと日本円の通貨ペア(ドル円)に対して、
- 1ドル90円でロングエントリー
- 1ドル100円でショートエントリー
この2つを両方とも決済せずに保持している状態が両建てだ。
特にロングとショートそれぞれで同一枚数のポジションを保持した場合は、含み損も含み益も拡大することはない。
【両建ての例】
ドル円にて1ドル90円で1lotのロングエントリー後、1ドル100円になったタイミングで1lotのショートエントリー。
その後1ドル110円まで動いた場合。
■ロングポジション
- 1ドル100円の時
→10円分の含み益発生 - 1ドル110円の時
→合計で20円分の含み益発生
■ショートポジション
- 1ドル100円の時
→評価損益なし - 1ドル110円の時
→10円分の含み損
→差し引き20円分の含み益
※両建て開始時(=1ドル100円の時)と含み益は変わらない
上記のようにポジション決済なしで利確(もしくは損切り)する際に用いることが多い。
XMでは同一口座での両建て取引は認められている
XMでは“同一口座のみ”両建てが認められている。
同じ口座内なら同じ通貨ペアでロングとショートそれぞれのポジションを建てても違反になることはない。
以下ではXMの同一口座で両建てするメリットを活用方法含めて紹介していく。
XMの同一口座の両建のメリット・活用方法
必要証拠金がゼロになる

XMの場合同じエントリー枚数での両建てなら証拠金が必要ない。
- ドル円10万通貨ショート
- ドル円10万通貨ロング
上記のような両建てなら、必要証拠金ゼロで2つのポジションを保有できる。
ポジションを放棄しない(=損失や利確なし)で証拠金に余裕ができるので、強制ロスカットを防いだり別のポジションを建てられるのがメリットだ。
【具体例】
口座残高5万円。最大レバレッジ888倍の口座で1ドル100円の際に10万通貨ロングエントリーした場合。
- エントリーの必要証拠金
→約11,261円 - エントリー時の証拠金維持率
→約440%
この後1ドル99.75円まで下がりすると、含み損は約2万5,000円で有効証拠金は2万5,000万円まで減少。
証拠金維持率は約220%にまで下がる。
この瞬間で10万通貨のドル円ショートでエントリーすれば、両ポジションの必要証拠金はゼロ。
必要証拠金が発生していないので、証拠金維持率の減少を気にしなくてよくなる。
→残った2万5,000円の証拠金を利用して、新たなボジションを建てることも可能。
ただし売りと買いで枚数が異なると証拠金が必要になるので注意だ。
ポジション保持で様子見できる

FX取引ではポジションを決済しない限り損失が確定しない。
つまり両建てで含み益や含み損をキープしつつ次のアクションに備えることができる。
またレンジ相場において両建てでポジションを保有しておけば「急にチャートが変動してロスカットされる」というリスクも回避可能だ。
■保有中のポジジョンで含み損が発生してる場合
たとえば「ドル円のロングで1万円の含み損が発生しているが、決済して損失を確定させたくない。きたるトレンドに備えたい」という場合。
ドル円のショートでエントリーして両建てすれば、含み損1万円のままチャートを静観できる。
その後上場トレンドの発生を確認してドル円ショートを決済すれば、損失を確定させないまま上昇トレンドによる恩恵を受けることができる。
■保有中のポジションで含み益が発生している場合
たとえば「ドル円のロングで1万円の含み益が発生しているが、レンジ相場に突入した。次の波を期待してポジションを保持したい」という場合。
ドル円のショートでエントリーして両建てすれば、含み益を温存しつつ次の波に備えることができる。
- 次の大きなトレンドが来た
→ドル円ショートを決済してロングポジションで含み益を伸ばす - 待てど暮せどレンジを抜けない
→ショートとロングを同時決済して1万円の利益を確定する
のように、状況に応じた柔軟な対応が可能になる。

XM同一口座内で両建てする際の注意点
一方のポジションを決済する際は証拠金維持率の減少に注意

上述したようにXMでは同一通貨ペア・同一取引量での両建てなら必要証拠金はゼロ。
つまり両建てを解消してしまうと必要証拠金が増えるので、証拠金維持率が大きく減少することになる。
【具体例】
口座残高5万円で下記3つのポジションを保有している場合を考える。(口座レバレッジ888倍)
- 豪ドル円:5万通貨
(必要証拠金:5,600円) - ドル円ロング:10万通貨
(必要証拠金:11,261円) - ドル円ショート:10万円通貨
(必要証拠金:11,261円)
※ドル円が両建てになっている。
この時の必要証拠金はユーロドルロングの5,600円だけ。
ドル円ショートを決済した瞬間に、必要証拠金は11,261円増加。
全く口座で含み益や含み損が発生していない場合でも、証拠金維持率は892%から296%にまで減少することになる。
強制ロスカットまでが近くなるので、両建てを解消するタイミングには気を配ろう。
両方のポジションを決済する際は同時決済で

両建てのポジションを同時に決済して損切り、利確する際には同時決済を心がけよう。
含み益があるポジションと含み損のあるポジションの決済でタイムラグが生じてしまうと、損失拡大や利益減少の恐れがある。
同時決済のやり方は以下のやり方でカンタンにできる。
- MT4で両建てしている通貨ペアの注文画面を開く
- 「注文種別」を「両建て解除」に変更
指標発表時や週明けの窓狙いではレバレッジが制限される場合がある

XMは指標発表時の取引、窓開け狙いの取引を明確には禁止していない。
ただレバレッジが制限されることがあるので注意が必要だ。
管理人の経験としては、実効レバレッジ800倍程度の超ハイレバで両建ての指値・逆指値を入れて週明けに望んだ際に注文が通ってなかったことがある。
後でサポートに確認したら「口座レバレッジが100倍に引き下げられたせいでエントリーできなかった」とのことだった。
相場が大きく動くイベントを狙って大きく取引する場合は、レバレッジ引き下げを折り込んで口座残高を補充しておくようにしよう。
XMで禁止されている両建て取引3つ
冒頭でも先出ししたが、XMでは以下の両建て取引を禁止している。
- XM内の複数口座を利用した両建て
- XMと他のFX業者を併用した両建て
- グループ内での両建て
具体例を交えながら詳しくみていこう。
XM内の複数口座を利用した両建て取引

XMは同一アカウント内で8つまで複数口座を開設できるが、口座をまたいでの両建てエントリーはNGだ。
【両建てNGの例①】
XMで口座Aと口座Bを開設。
- 口座A→ドル円のショートでエントリー
- 口座B→ドル円のロングでエントリー
⇨口座をまたいで両建てポジションを保有することになるので規約違反。
複数口座を利用する予定のある人は、ポジションが両建てにならないように気をつけよう。
XMと他のFX業者を併用した両建て取引

XM内だけではなく、国内外問わずに別のFX業者との間で両建てポジションを持ってしまった場合も違反の対象となる。
【両建てNGの例②】
XMで口座Cを開設。iFOREX(海外FX業者)で口座Dを開設。
- 口座C→ドル円のショートでエントリー
- 口座D→ドル円のロングでエントリー
⇨業者をまたいで両建てポジションを保有することになるので規約違反。
複数の海外FX業者を使い分けて利用する際には気をつけてほしい。
グループ内での両建て取引

同一人物でなくても、収支が同じ仲間内で両建て取引をするのもNGだ。
XM内での両建てであろうが、他の業者との間の両建てであろうが関係なく違反行為に該当する。
【両建てNGの例③】
友人のEがXMで口座開設。FさんがLAND-FXで口座開設。
(EさんとFさんはグル)
- 友人のEさん(XM)
→ドル円のショートでエントリー - Fさん(LAND-FX)
→ドル円のロングでエントリー
⇨グループを作成して意図的に両建て取引していることになるので、禁止取引に該当
【番外編】1つの通貨をヘッジする取引

両建て取引とはずれてしまうが、1つの通貨をヘッジするように口座や業者をまたいで複数のポジションを持つのも禁止取引に該当する。
「ヘッジする」とは「ある通貨の為替変動によるリスクを回避する」ということ。
例えば、
- ドル円のロングポジションを持つ
- ユーロドルのロングポジションを持つ
両方を同時に実行する場合は「ドルをヘッジしている」と見なされる。
【ドル円のロングポジションとユーロドルのロングポジションによるヘッジ】
- ドル円の価格が上がる(ドル高)
→相対的にユーロドルの価格が下がる - ドル円の価格が下がる(ドル安)
→相対的にユーロドルの価格が上がる
一方のポジションで含み損が発生しても、もう一方のポジションで含み益が発生するので、ヘッジがなされている。
上記のように「一方が下がれば、連動して一方が上がる」ような対のポジションを保有してしまうと、規約違反になる場合があるので気をつけよう。

特にEA(自動売買)を運用している場合は、裁量取引用の口座との間でヘッジが起こりやすい。
システムに従ってポジションを建てるので、別口座で思わぬポジションを建ててしまっている恐れがあるからだ。
XMやXMと併用する別業者の口座でEAを回す際は肝に銘じておこう。
XMで禁止両建てをすれば出金拒否・口座凍結の制裁

思惑があろうがなかろうが、XMで禁止両建てしてしまうといくら利益が出ても出金できない場合がある。
最悪の場合は口座が凍結されて、担保として入金したお金さえも戻ってこなくなる可能性があるので注意が必要だ。

利益が少額の場合や「ちょっとポジションの保有がカブってしまった」くらいの禁止両建てなら、見逃してもらえる場合もあるらしい。
ただ繰り返すと出金拒否や利益没収を食らうことになるので、一度セーフだったからと言って調子に乗らないほうが賢明だ。
XMでの禁止両建てはバレるのか

「XM内の両建てならバレるのはわかるが、業者間両建てや同一グループの両建てなんてどうやって検知されるの?」
このように思っている人も多いと思うが、これが見事にバレる。
おそらく別口座や別業者の間で、不自然な注文を検知できるシステムが存在するのだろう。
(あくまで憶測の域を出ないが)
現に管理人も今までネット掲示板やSNSで「両建てがバレて利益が没収された」という書き込みを幾度となく見てきた。
バレないとタカをくくって禁止取引に身を乗り出してしまうと、結局は時間もお金もムダになってしまう。
繰り返しになるが、バレるバレない以前にやましい取引は避けたほうがいい。

余談だが、過去に「XMは詐欺だ!出金拒否業者だ!」と騒ぎ立てていたグループがいたが、蓋を開けてみると不正な両建てで利益を上げていたグループだった。
もちろん規約違反の取引で得た利益なので、出金拒否されて当然。
あえて不正取引をやっているトレーダーほど、自身の不正を棚に上げてネガキャンを推進する傾向がある。
XMが禁止両建てを定めている理由

XMが禁止両建てを定めている理由は、追証なしゼロカットシステムの悪用を防ぐためだ。
ロスカットが間に合わないほど相場が大変動してマイナス残高が発生した際に、口座のマイナスをゼロリセットしてくれる仕組み。
口座残高を超えるトレーダーの損失をXMが補填してくれる。
仮にXM内の口座が他の業者との両建てに利用された場合を考えてみよう。
XMと業者Aそれぞれに10万円入金して、それぞれドル円20万通貨でエントリー。
瞬間200pipsの大暴落が起こった場合。
- XM(ロングポジション)
→20万通貨×200pipsで40万円の損失
→口座残高-30万円 - 業者A(ショートポジション)
→20万通貨×200pipsで40万円の利益
→口座残高50万円
両建てしたトレーダーはリスクなしで20万円の利益を獲得。
XMはゼロカットにより、トレーダーの損失30万円を補填することになる。
このようにゼロカットの損失補填を織り込んでノーリスクの取引に悪用されてしまうと、XM側としてはたまったもんじゃない。
XMはトレーダーのマイナス残高によるリスクを背負っているのに、トレーダーはリスクを背負っていないことになる。
ゼロカットが悪用されてXM側が損失を補填しまくる状況を避けるために、上述した両建て禁止は真っ当な措置だといえる。
以上がXMの両建て取引に関する全知識だ。
繰り返しになるが、XMでは同一口座内での両建てはOK。
逆に口座や業者をまたいだ両建ては、通貨ヘッジの場合でも禁止なので気をつけよう。
→XM(XM Trading)の評判を鬼まとめ!独自の視点で”俺”が13項目から評価する
またXMの出金拒否が心配な人は下記のページにも目を通してみてほしい。
→海外FX業者”XM”で出金拒否多発?安全?危険性について俺が正直に論じてみた
余談だが両建てエントリーは「往復取引」と見なされるので、1分以上間をあければXMポイントが貯まることになる。
ただ明らかなポイント加算狙いの両建てエントリーは規約で禁止されているので、やらないように気をつけよう。
(関連:XMポイントとは?XMPの貯め方のコツ・有効活用方法について鬼まとめ(準備中))