「XMの口座開設フォームで『ZERO口座』の存在を初めて知った。」という方のために作成した。
結論からいうと、XMでの口座開設が初めての人はスタンダード口座かマイクロ口座を選択するのがおすすめ。
たしかにZERO口座はスプレッドが狭くて取引コストが安い(ドル円で平均1.1pips)のが特徴だが、
- ボーナスに対応していない
- 取引してもXMポイントをもらえない
など、無下にはできないデメリットがある。
あえて初心者向けの顧客還元を捨ててまで、XMでZERO口座から始めることはない。

目次
XMのZERO口座とは【口座開設前の注意点】

以下XMで利用できる3タイプの口座のスペック比較表だ。
![]() | ![]() ※1 | ![]() ※2 |
|
---|---|---|---|
最大レバレッジ | 888倍 | 888倍 | 500倍 |
ボーナス対応 | 3,000円口座開設ボーナス 100%入金ボーナス XMPロイヤルティプログラム | 3,000円口座開設ボーナス 100%入金ボーナス XMPロイヤルティプログラム | 3,000円口座開設ボーナス |
スプレッド | ドル円平均2.0pips | ドル円平均2.0pips | ドル円平均0.1pips |
取引手数料 | なし | なし | 1.0pips/取引 |
1lotの大きさ | 1,000通貨 | 100,000通貨 | 100,000通貨 |
最低取引通貨量 | 10通貨 (0.01lot) | 1,000通貨 (0.001lot) | 10,000通貨 (0.01lot) |
最大取引枚数 (ワンショットあたり) | 100,000通貨 (100lot) | 5,000,000通貨 (50lot) | 5,000,000通貨 (50lot) |
取引可能商品 | 通貨ペア57種類 CFD銘柄42銘柄 貴金属5種類 | 通貨ペア57種類 CFD銘柄42銘柄 貴金属5種類 | 通貨ペア56種類 |
初回最低入金額 | 500円 | 500円 | 10,000円 |
他の口座タイプと比べて突出しているのが取引コストの安さだ。
ドル円で平均0.1pipsの超低スプレッドに加えて、別途かかる取引手数料は1.0pips相当。
マイクロ口座やスタンダード口座よりも、平均で0.9pipsも取引コストを抑えられる。
【ZERO口座の取引手数料を詳しく】
1lot(10万通貨)の片道取引あたり5ドルの手数料が発生。
pipsに換算すると5ドル÷10万通貨=0.5pips相当になる。
この手数料はエントリー/決済それぞれのタイミングで発生するので、1回利確(損切)するまでに往復でかかる手数料は1.0pips相当だ。
取引手数料が差し引かれるタイミングはプラットフォーム(MT4かMT5か)に応じて変わってくる。
- MT4口座
→エントリー時に往復取引分が口座残高から差し引かれる - MT5口座
→エントリー時と決済時、それぞれ片道取引分が口座残高から差し引かれる
実質コスト(スプレッド)は「スプレッド+往復取引手数料」になることを覚えておこう。
しかしXMのZERO口座で低コストの恩恵を享受するには犠牲が伴う。
- ボーナスやXMポイントを受け取れない
- 最大レバレッジが500倍に制限される
- FX通貨ペア以外の取引ができない
- 初回入金1万円未満で取引を始められない
「XM(XM Trading)の評判を鬼まとめ!独自の視点で”俺”が13項目から評価する」で解説しているXMのメリット9つのうち、4つを捨てる必要があるのだ。
入金ボーナス・XMポイントには対応していない

- 100%入金ボーナス+20%入金ボーナス
- XMポイント(ロイヤルティプログラム)
ZERO口座では上記どちらも受け取ることができない。
特に入金ボーナスに対応していないのは、数万円の少額資金で取引を始めようとしている人にはかなりネックなはず。
ZERO口座を選んでしまったら完全に自己資金での勝負になってしまう。
ZERO口座はどちらかというと「ボーナスに頼らなくてもいいくらい資金力に余裕がある人向け」に設計された口座だ。
口座開設ボーナス3,000円は受け取れる
XMZERO口座は口座開設ボーナス(未入金ボーナス)3,000円は対象となっている。
ECN口座で口座開設ボーナスが受け取れるのはXMのzero口座のみ。
まずはこの3,000円を使って、ECN口座の使い心地をノーリスクで試せる。
「ECN口座を使ったことがない」
「ECN口座の手数料の計算方法に慣れたい」
という方は、口座開設ボーナス目的でXmzero口座を開設するのはオススメだ。
XMポイントを加味すれば取引コストの差は縮まる
スタンダード口座・マイクロ口座はXMポイント込みで考えると、事実上スプレッドが上述したものよりも狭くなる。
たとえば口座開設直後から参加できるEXCUTIVEステータスなら、獲得できるポイントは1lotの取引あたり10ポイント。
10ポイントはボーナスに換金すると約3.4ドル相当なので、スプレッドが0.34pips狭い状態で取引するのと同義だ。
(取引で支払ったスプレッドの一部がポイントで還元されるイメージ)
ポイントを加味すると、
- スタンダード口座・マイクロ口座:ドル円平均1.26pips
- ZERO口座:ドル円平均1.1pips
で、その差平均0.16pipsにスプレッド差が圧縮される。
ほとんどそん色ない水準だ。
XMPをうまく活用すれば、スタンダード口座・マイクロ口座でのスキャルピングも不可能ではない。
最大レバレッジが500倍に制限される

スタンダード口座・マイクロ口座が最大レバレッジ888倍なのに対して、ZERO口座の最大レバレッジは500倍。
ZERO口座の方がエントリーの必要証拠金が大きくなるので、強制ロスカットまでに許容できる含み損が小さくなってしまう。
【例:証拠金2万円で、10万通貨取引する場合】
■マイクロ口座・スタンダード口座
- 必要証拠金:約11,270円
- エントリー時証拠金維持率:※約177%
- 強制ロスカットまでの許容含み損:13,524円
- 強制ロスカットまでの許容pips:13.524pips
■ZERO口座
- 必要証拠金:20,000円
- エントリー時証拠金維持率:※約100%
- 強制ロスカットまでの許容含み損:16,000円
- 強制ロスカットまでの許容pips:16pips
⇨ZERO口座の方が含み損2,476円、2.476pips分ロスカットが近くなる
※わかりやすくするために、エントリー時に差し引かれるスプレッド分は加味していない。
ロスカット水準は全口座タイプで同じ(証拠金維持率20%以下)なので、シンプルに最大レバレッジが小さいZERO口座の方が不利だ。
手数料がかかるため取引コストを都度計算する必要がある
ゼロ口座ではスプレッドとは別に取引手数料が設定されている。
そのため注文のたびにスプレッド+取引手数料を計算しなければならないのが面倒だ。
FX通貨ペア以外の取引に対応していない

XMのZERO口座は通貨ペア以外の取引に対応していない。
- 商品CFD(ココアや小麦など)
- エネルギーCFD(原油や天然ガスなど)
- 株価指数・インデックス(日経225など)
- 貴金属(金・銀など)
- 仮想通貨(ビットコインやリップルなど)
上記全て取引NGだ。
もしCFD銘柄の取引もしたいならマイクロやスタンダード口座を利用するか、他業者を検討する必要がある。
【補足】XMのマイクロ・スタンダード口座で取引可能なFX通貨ペア以外の商品一覧
初回最低入金額は1万円以上

XMのZERO口座で取引するには、初回入金で1万円以上必要になる。
マイクロ口座やスタンダード口座のように、下限500円から自由に入金額を決めることができない点には留意しておこう。

取引コストが安いZERO口座だが、XMのメリットを見事に打ち消してしまっているのがわかるだろう。
繰り返しになるがXM初心者の人は、まずマイクロ口座かスタンダード口座を開設して豪華なボーナスを活用したハイレバ888倍の取引から始めるのが正攻法だ。
【XMのZERO口座のスプレッド一覧】手数料を加味してもスプレッドは優秀
ここまでXMのZERO口座をディスってきたが、手数料を加味したスプレッドはかなり優秀だ。
XMのZERO口座主要通貨ペア平均スプレッド一覧
![]() ゼロ口座 |
|
---|---|
取引手数料 | 1.0pips相当 ※1lot(10万通貨あたり1,000円) |
ドル円 | 1.10pips (0.10pips) |
ユーロ円 | 1.60pips (0.60pips) |
ポンド円 | 2.10pips (1.10pips) |
豪ドル円 | 2.00pips (1.00pips) |
ユーロドル | 1.10pips (0.10pips) |
ポンドドル | 1.60pips (0.60pips) |
豪ドル米ドル | 1.40pips (0.40pips) |
XMのZERO口座のスプレッド・手数料を競合他社と比較
実際に競合の海外FX低スプレッド口座と比較しても「スプレッド+取引手数料」の数値は競争力がある。
![]() ゼロ口座 | ![]() ナノスプレッド口座 | ![]() ブレード口座 |
|
---|---|---|---|
取引手数料 | 1.0pips相当 ※1lot(10万通貨あたり1,000円) | 0.6pips ※1lot(10万通貨あたり600円) | 0.7pips相当 ※1lot(10万通貨あたり700円) |
ドル円 | 1.10pips (0.10pips) | 1.10pips (0.50pips) | 1.03pips (0.33pips) |
ユーロ円 | 1.60pips (0.60pips) | 1.30pips (0.70pips) | 1.44pips (0.74pips) |
ポンド円 | 2.10pips (1.10pips) | 2.40pips (1.70pips) | 2.15pips (1.45pips) |
豪ドル円 | 2.00pips (1.00pips) | 1.50pips (0.90pips) | 1.82pips (1.12pips) |
ユーロドル | 1.10pips (0.10pips) | 1.10pips (0.50pips) | 0.90pips (0.20pips) |
ポンドドル | 1.60pips (0.60pips) | 1.50pips (0.90pips) | 1.27pips (0.57pips) |
豪ドル米ドル | 1.40pips (0.40pips) | 1.20pips (0.60pips) | 1.22pips (0.52pips) |
取引手数料だけを見れば群を抜いて高いが、平均スプレッドが狭いので出来上がりコストで見れば遜色ないのがわかるだろう。
XMのZERO口座で取引しても取引コストでそこまで損することはない。
海外FXで低スプレッドの口座を探している人は、あわせてチェックしてみてほしい。
XMのZERO口座に関するQ&A
ZERO口座の取引手数料は経費計上できる?

ZERO口座の取引手数料は確定申告の際に経費として申告しても何ら問題ない。
管理人の過去にしれっと手数料を経費計上したことがあるが、役所から指摘が入ることはなかった。
経費が増えればシンプルに税額を圧縮できるので、取引履歴の証明を添えて確定申告の際に提出するするようにしよう。
ZERO口座はECN方式を採用している?

管理人の見解としては「XMのZERO口座はECN方式を採用している可能性が低い」だ。
トレーダーの注文に業者が介在せず、インターバンク(プロ投資家や大手金融機関が参加しているFX市場)にそのまま流れる注文処理方式。
インターバンクに出されている注文とトレーダーの注文がマッチングすると決済が成立する。
(株取引のように、必ず取引相手が存在する注文処理方式だ)
ECN方式は非常に透明性が高い注文処理方式なので、もしXMのZERO口座がECN方式であれば公式HPでメリットとしてしっかり記載があるはず。
しかし公式HPのどこを探してもECN方式の記載を見つけることはできなかった…。
ZERO口座は「DD方式のもとで、スプレッドと業者のマークアップ分が別で分かれているだけの口座」と考える方が自然だろう。

「XM(XM Trading)の評判を鬼まとめ!独自の視点で”俺”が13項目から評価する」でも解説しているが、正直にいうとXMはNDD業者ではない可能性が高い。
(ストップ狩りや不利約定が頻発する悪質業者ではないが…)
そもそもNDD方式のビジネスモデルではないため、ZERO口座だけNDD(ECN)方式を採用しているとは考えづらいのも理由の1つだ。
XMゼロ口座がオススメな人
スキャルピングトレードを目的としている
ゼロ口座は取引手数料を加味しても、スタンダード口座・マイクロ口座より取引コストを抑えられる。
そのため取引コストを0.1pipsでも抑えたいスキャルピングトレーダーはゼロ口座を開設すべきだろう。
反対にスプレッドの狭さよりもボーナスを利用してデイトレードしたい方には不向き。
スタンダード口座・マイクロ口座のほうがオススメだ。
ECN形式の口座の入門編として利用したい
上述した通り、厳密にはゼロ口座はECN方式を模しているだけで”ECN方式ではない”可能性もある。
しかし取引コストの狭さやスプレッドに手数料が乗っかる仕組みはECN口座の特徴とまったく同じだ。
ゼロ口座では口座開設だけで3,000円の口座開設ボーナスが受け取れるため、今までECN口座を利用したことがない人がお試し用として利用するのはオススメできる。
ボーナスを利用すれば、自分のお金を使わずにECN口座の使い心地を確かめられるようなものだ。
XMのスプレッドが気になり出したらZERO口座への移行を考えよう
XMのZERO口座はボーナスやXMポイント非対応ということで、XM一発目の口座として選ぶのはいただけない。
ただスプレッドが激狭な分、他の低スプレッドの海外FX業者と比べても取引コストで大きく損しないのは確か。
まずはXMのスタンダード口座やマイクロ口座で「ボーナス×ハイレバ888倍」のデイトレードから始めるのがおすすめだ。
その後取引回数が増えてスプレッドが気になりだしたらZERO口座の追加開設を検討しよう。
上述もしたがXMは1アカウント、1名につき最大で8つまで口座を開設することができる。
追加口座開設は書類提出不要で、会員ページから1分もあれば手続き完了できる。
このページを読んだ1名でも多くの方が、正しい手順でXMを通じた海外FXライフを送ってくれればこの上ない。
ただ競合の低スプレッド口座と比べても、XMのZERO口座が取引手数料の安さで引けをとらないのは事実。
XMは最大8つまで複数口座を開設できるので、後に追加口座として用意するのが賢い利用方法だ。