ACEFOREXはニュージーランドで2014年に創業されたブローカー。
各種海外FX情報サイトでキャッシュバックのタイアップをしているので、気になっている方も多いと思う。
まだまだ日本人トレーダーの利用者こそ少ないものの知名度はグングン伸びている形だ。
当サイトにもACEFOREXに関する問い合わせがいくつか来ていた。
そこで今回は知名度はあるものの細かな詳細はあまり知られていないACEFOREXについて、管理人が知りうる限りの情報を記載した。
ACEFOREXに興味を持ち、口座開設を考えている方は本記事を一読してから本当に利用するか否かを決めてほしい。
目次
現状550万円の初回入金をクリアできなければ利用価値なし
結論から言うとACEFOREXは現状多くの人にオススメできる業者ではない。
ACEFOREXが提供している口座タイプの1つにVIP口座があるが、確かにこちらはスペック面では優秀だ。
(他の2つの口座タイプ、マイクロとスタンダードは見どころがない)
レバ100倍かつロスカット水準100%ともの足りない部分はあるものの、スプレッドが国内FX業者と変わらないほど狭い。
25倍~50倍程度のレバレッジで堅実にスキャルピングするならオススメできる。
しかし、いかんせんVIP口座は初回最低入金額が約550万円とあまりに高すぎる。
海外FX初心者はもちろん、上級者でもしり込みしてしまう値段設定だ。
その他にも入金手段の乏しさや日本語対応一切なしなどの不親切さも目立つ。
- 550万円入金できるほどの資本力がある
- 最低限の英語の読み・書きができる
という2つのハードルをクリアしていなければACEFOREXの利用は難しいだろう。
ACEFOREXをおすすめできない7つの弱み・デメリット
スタンダード口座・VIP口座の初回最低入金額が高い
ACEFOREXではマイクロ口座・スタンダード口座・VIP口座の3種類の口座タイプが存在する。
初心者向けのマイクロ口座は最低入金額50$(5,500円相当)と安いものの、スタンダード口座・VIP口座の最低入金額があまりに高い。
- スタンダード口座:10000$(110万円相当)
- VIP口座:50000$(550万相当)
特にVIP口座はACEFOREXの口座タイプで1番優秀なだけに、最低入金額が550万相当というのは非常に残念…。
海外FX初心者の方はもちろん、中上級者でも入金するのが難しい金額だ。
ロスカット水準が証拠金維持率100%
ACEFOREXのロスカット水準は証拠金維持率100%に設定されている。
他の海外FX業者が20~30%に設定されていることが多いので、比較するとかなり辛めの設定と言える。
ロスカット水準が100%だと、そもそもフルレバはできない上に(※)、アクティブにレバレッジをかけると強制ロスカットされやすくなってしまう。
つまり海外FXの醍醐味であるハイレバトレードを満足に楽しめないわけだ。
(※)フルレバでポジってしまうと、ポジションを持った瞬間にスプレッド分で証拠金維持率100%を割るので即強制ロスカットされる。
ACEFOREXの最大レバレッジはマイクロ口座で500倍、スタンダード・VIP口座で100倍だが、
- マイクロ口座:200~300倍
- スタンダード口座・VIP口座:25~50倍
くらいの運用がメインになってくるだろう。
DD業者の疑いがある
AceForexでは公式HPに取引方式に関する記述が一切なし。
NDD方式であれば、堂々と記載するはずなので、DD業者である可能性がどうしても高くなってしまう。
仮にACEFOREXがDD業者である場合、注文を呑まれて故意に負けさせられてしまう可能性がある。
現在のところ、ACEFOREXに対する不正の報告は入っていないので過剰に心配する必要はないが、一応DD業者の可能性が高いことは念頭に置いておこう。
(※)DD方式とは
DD(ディーリングデスク)方式は、トレーダーとインターバンクの取引の間にディーラーが介入する取引方式。
この方式ではディーラーがトレーダーの注文に対して、反対注文をぶつけてしまい、トレーダーとディーラーの利益が相反するケースがある。
そのため業者のディーラーが、意図的なリクオート(約定拒否)や悪質なレート操作などの不正行為を働いてくることがある。
ただし”反対注文をぶつけて負けさせてくる悪質な業者もある”というだけで、DD業者=絶対悪というわけではないので注意しよう。
日本語対応が進んでおらずサポートも英語のみ
ACEFOREXは日本語対応がまったく進んでいない。
公式HPを見ればわかるが、すべて英語表記で書かれている。
最低限英語を読むことができないと、公式HPから情報を拾うのは難しい。
また当然ながら問い合わせ方法も英語オンリー。
- 電話
- FAX
- メール
ACEFOREXには上記3つの問い合わせ方法が用意されているが、すべて英語で対応されるし、問い合わせなければならない。
英語の読みだけでなく、書く・話す能力まで求められるのはハードルが高すぎる。
英語にまったく精通していない方は日本語対応が進んでいる海外FX業者のほうが使い勝手が良いだろう。
入金手段がかなり限られて特定の人しか使いづらい
ACEFOREXで用意されている入金手段はクレジットカードと海外銀行送金のみだ。
使えるクレジットブランドはVISA・MasterCardのみなので、持っていない方は強制的に海外送金でしか入金できない。
海外銀行送金での入金は、
- 銀行窓口で入金手続きをしないといけない
- 中継銀行のリフティングチャージで手数料が約4,000円かかる
- 海外口座へ着金するまで3~5営業日かかる
とデメリットがかなり大きい。
対応するクレジットカードを持っていない人には利用ハードルがかなり高いのが現状だ。
口座通貨がドルのみで円に対応していない
ACEFOREXの口座通貨は円に対応しておらず、ドルのみだ。
そのため慣れるまでのドル計算が面倒くさい。
またドルだと入出金の際に為替の影響を受けることを覚えておこう。
- 入金時より出金時に円安の場合はオトク
- 入金時より出金時に円高なら損する
特に気にする必要はないが、一応豆知識として覚えておいてほしい。
顧客資産管理は分別管理
ACEFOREXの顧客資産管理は分別管理のみ。
ACEFOREXが倒産しても、顧客資産が自分の元に返還される保証はない。
心配な方は”なくなっても大丈夫なお金”だけ残すようにしてマメに出金するのがオススメだ。
ACEFOREXの強み・取引するメリット7つ
口座タイプが3種類用意されている
ACEFOREXではマイクロ・スタンダード・VIPの3種類の口座タイプが用意されている。
【マイクロ口座】
- 最大レバレッジ500倍×ロスカット水準100%
- ドル円平均1.4pips
- 30%入金ボーナス
- 最低入金額5,500円相当
【スタンダード口座】
- 最大レバレッジ100倍×ロスカット水準100%
- ドル円平均1.2pips
- 30%入金ボーナス
- 最低入金額110万円相当
【VIP口座】
- 最大レバレッジ100倍×ロスカット水準100%
- ドル円平均0.8pips
- 30%入金ボーナス
- 最低入金額550万円相当
冒頭でも述べたがこの中で見どころがあるのはVIP口座のみ。
入金額の550万円というハードルさえ超えれば、海外FXでは類を見ないほどの狭いスプレッドを生かしたスキャルピングができる。
資本力が十分にあって、スプレッドの狭さを最重要視するのであれば口座開設の選択肢には入ってくるだろう。
しかし他の2つの口座に関しては特筆すべき部分がなにもない。
マイクロ口座のみ初心者でもとっつきやすいスペックだが、マイクロ口座を使うくらいならその他の海外業者により良いスペックの口座はたくさんある。
わざわざACEFOREXのマイクロ口座を開設する意味はない。
スタンダードに関してはスペックも並程度な上に、入金額が110万円と高すぎるので論外だ。
VIP口座を使えるなら超絶狭いスプレッドで取引できる
もしVIP口座の最低入金額550万円という壁を突破できるなら、業界最狭水準のスプレッドで取引できる。
以下で海外FX業者の中でもかなり狭いスプレッドを提供している、TitanFXのゼロブレード口座・Axioryのナノスプレッド口座と比較してみた。
通貨ペア | ACEFOREX (VIP口座) | TitanFX (ゼロブレード口座) | Axiory (ナノスプレッド口座) |
---|---|---|---|
USD/JPY | 0.80pips | 1.03pips | 1.10pips |
EUR/JPY | 1.20pips | 1.44pips | 1.30pips |
EUR/USD | 0.70pips | 0.90pips | 0.90pips |
GBP/USD | 1.30pips | 1.27pips | 1.50pips |
AUD/USD | 0.80pips | 1.22pips | 1.20pips |
まさにVIPの名に恥じない激狭スプレッドなのがわかる。
VIP口座の最大レバレッジは100倍と少々控えめだが、国内FXの25倍と比べると断然資金効率良く、この激狭スプレッドで取引コストを抑えたトレードができる。
最初の最低入金550万円というハードルさえ超えれば、レバ25倍~50倍で堅実に稼いでいきたいスキャルピングトレーダーには最高の環境だ。
追証なしのゼロカットシステム対応
ACEFOREXはゼロカットシステムを採用している。
仮に口座残高がマイナスになってしまっても、マイナス分の追証請求をされることはない。
最大損失は”口座に入っているお金まで”とかなりリスクが限定された条件でトレードできる。
恒常的に30%入金ボーナスを開催している
ACEFOREXでは恒常的に30%入金ボーナスを開催している。
このボーナスは全口座タイプ適用だ。
受け取り条件も”新規口座の開設のみ”なので、誰でも入金さえすれば受け取れる。
【30%入金ボーナス付与例】
●マイクロ口座に10万円入金
→ボーナス付与3万円。有効証拠金13万円でスタート。
●スタンダード口座に110万円入金
→ボーナス付与33万円。有効証拠金143万円でスタート。
●VIP口座に550万円入金
→ボーナス付与165万円。有効証拠金715万円でスタート。
どの口座タイプでも、絶対に投資額の1.3倍で取引を開始できるのは大きなアドバンテージだ。
特にVIP口座のような最低入金額が高い口座にとっては、かなりおいしい。
せっかくならできるだけまとめて初回に入金した方が良いだろう。
取り扱い通貨ペア57種に加えてCFD商品やバイナリーオプションも可能
ACEFOREXではメジャー通貨ペアからマイナー通貨ペアまで全57種を取り揃えている。
また通貨ペアのみならず、CFD商品やバイナリーオプションもFXと同じ口座で取引可能だ。
わざわざ新しく口座を開設する必要はない。
MT4だけでなくMT5が使える
ACEFOREXはMT4はもちろんのこと、最新のプラットフォームであるMT5にも対応している。
MT5はMT4よりも動作スピードが優秀かつ、時間足表示がMT4よりも多彩でより詳細なチャート分析が可能だ。
裁量取引メインのトレーダーはMT4よりも使いやすいだろう。
ただしMT4よりもEAやインジケーターの種類はまだまだ少ない。
システムトレードメインならMT4を選ぶのがオススメだ。
ニュージーランドライセンスを取得しており一定の信頼性はある
ACEFOREXはニュージーランドの金融ライセンスFSPRを取得している。
規制が緩くカンタンに取得できるライセンスではあるが、1つでも取得しているため一定の信頼を置いても良いだろう。
運転免許証のグリーン持ちだと考えてもらえればわかりやすいはずだ。
(イギリスのFCAやキプロスのCySECがゴールド免許証といったところだ)
少なくとも最低限の規制は受けているため、ACEFOREXが勝手に暴走して理不尽な出金拒否や利益取り消しを行う可能性は低い。
以上がACEFOREXに関する管理人の評価だ。
残念ながらキャッシュバックキャンペーンにつられて口座開設すると、後々スペックの悪さに苦労することになる。
少なくとも現状はメインとして愛用していける業者ではない。
ただし繰り返しになるが、VIP口座だけは使い道がある。
550万円入金できて、国内FXよりちょっとだけ高いレバレッジでスキャルピングしたいなら口座開設しても良いだろう。
ちなみにVIP口座の入金額を5万円程度まで下げてくれれば、もっと爆発的にスペックをしっかり見ているトレーダーからの支持も得られそうなものなのになぁとは思わずにはいられない。
一見するとメリットの数の方が多いのだが、デメリット部分がメリット部分をはるかに上回るきつさなので”オススメしない”という結論に至っているぞ。