本記事では「XMでスキャルピングするのはアリなのかどうか」に焦点を当てた記事となっている。
結論から言えば、XMでスキャルピングをするのはオススメできない。
スキャルピング自体は認められているものの、取引コストで見ると他社でより優れた口座が存在するためだ。
XMでのスキャルピングを考えている方は、本記事を一読してから本当にXMでスキャすべきかどうか決めてほしい。
目次
XMでスキャルピングするのはOK!一切禁止されていない
前提としてXMでスキャルピングするのはOK。
公式HPのよくある質問で、『スキャルピングを認めていますか?』という質問に対し『はい、認めています』と明言している。
XMでスキャルピングしたからと言って、規約違反に引っかかり、利益取り消しや口座凍結されることは一切ない。
『決済まで最低○分間のポジション保持』という制限もないので、好きなようにスキャルピングし放題だ。
(※)10分以内の決済はXMPが溜まらないので注意
10分以内でポジションを決済してしまうと、XMPが貯まらないというデメリットがある。
XMPは取引するほど貯まるポイントで、一定量貯まるとボーナスや現金と交換できる。
もしXMPを貯めたいのであれば、10分以内の決済には気をつけよう。
EAを利用した自動売買(システムトレード)もOK
EAを利用した自動売買・システムトレードもXMでは認められている。
EAを利用して数秒~数十秒レベルの超高速短期売買を繰り返してもなんら問題はない。
XMではMT4・MT5のどちらも利用できるので、好きなEAを使ってスキャルピングしよう。
XMはスキャルピング向けの業者ではない
XMがスキャルピングOKだからといって、XMがスキャルピングに適している業者かというとそうではない。
むしろXMはスキャルピングに向いていない業者。
スキャルピングする業者を選ぶにあたって絶対に確認すべきは2点ある。
約定力の高さと取引コスト(スプレッド)の安さだ。
XMにはマイクロ口座・スタンダード口座・XMzero口座の3つの口座タイプが用意されているが、いずれも約定力は申し分ない。
しかしもう1つの重要なファクターである取引コストが他社と比べると高くつくため、スキャルピングには向いていないのである。
マイクロ・スタンダード口座は他社のSTP口座、XMzeroも他社のECNと比較すると取引コストは高い。
0.1pipsでも取引コストにこだわるべきスキャルピングトレーダーにはXMはオススメできない。
(※)XMの取引コストが高い理由
XMの取引コストが高いのはひとえにボーナス特化型の業者だからだ。
海外FX業者は大きく2つのタイプに分かれる。
- ボーナス特化型:スプレッドが並程度な代わりに、ボーナスが豪華
- スプレッド特化型:ボーナスが一切ないかわりに、スプレッドが狭い
スキャルピングトレーダーはスプレッド特化型の業者を選んだ方が、長い目で見たときに得をする。
マイクロ・スタンダード口座と他社STP口座のスプレッド比較
通貨ペア | XM | TitanFX | Axiory | iFOREX |
---|---|---|---|---|
USD/JPY | 1.6pips | 1.33pips | 1.5pips | 1.8pips |
EUR/JPY | 2.6pips | 1.74pips | 1.7pips | 1.8pips |
GBP/JPY | 3.5pips | 2.45pips | 2.7pips | 5.0pips |
AUD/JPY | 3.0pips | 2.12pips | 2.1pips | 5.0pips |
EUR/JPY | 1.6pips | 1.20pips | 1.3pips | 1.8pips |
GBP/USD | 2.3pips | 1.57pips | 1.9pips | 3.0pips |
AUD/USD | 1.8pips | 1.52pips | 2.1pips | 3.0pips |
TitanFXやAxioryのようなスプレッド特化型の業者と比べるとXMのほうが明らかにスプレッドが広い。
iFOREXのようなXMと同じボーナス特化型の業者と同水準程度だ。
XMポイントを加味すればスプレッドはもっと狭くなる
スタンダード口座・マイクロ口座はXMポイント込みで考えると、事実上のスプレッドが上述したものよりも狭くなる。
例えば口座開設直後から参加できるEXCUTIVEステータスなら、獲得できるポイントは1lotの取引あたり10ポイント。
10ポイントはボーナスに換金すると約3.4ドル相当なので、スプレッドが0.34pips狭い状態で取引するのと同義だ。
(取引で支払ったスプレッドの一部がポイントで還元されるイメージ)
これを加味すると、USD/JPY・EUR/USDで1.26pipとスプレッド特化型の業者と比較してもそん色ないレベルになる。
XMZERO口座と他社ECN口座の取引コスト比較
通貨ペア | XM | TitanFX | Axiory | HotForex |
---|---|---|---|---|
取引手数料 | 1.0pips | 0.7pips | 0.6pips | 0.8pips |
USD/JPY | 1.1pips (0.1pips) | 1.03pips (0.33pips) | 1.1pips (0.5pips) | 0.9pips (0.1pips) |
EUR/JPY | 1.6pips (0.6pips) | 1.44pips (0.74pips) | 1.3pips (0.7pips) | 1.6pips (0.8pips) |
GBP/JPY | 2.1pips (1.1pips) | 2.15pips (1.45pips) | 2.3pips (1.7pips) | 2.2pips (1.4pips) |
AUD/JPY | 1.8pips (0.8pips) | 1.82pips (1.12pips) | 1.5pips (0.9pips) | 1.8pips (1.0pips) |
EUR/USD | 1.1pips (01.pips) | 0.90pips (0.2pips) | 1.1pips (0.5pips) | 0.9pips (0.1pips) |
GBP/USD | 1.4pips (0.4pips) | 1.27pips (0.57pips) | 1.5pips (0.5pips) | 1.2pips (0.4pips) |
AUD/USD | 1.3pips (0.3pips) | 1.22pips (0.52pips) | 1.2pips (0.6pips) | 1.6pips (0.8pips) |
※ECN口座のため「平均スプレッド+取引手数料」の合計値を記載。平均スプレッドのみの数値はカッコ内に記載している。
XMzero口座はインターバンク直結の生のスプレッドのみで見ると他業者よりも狭い。
しかし取引手数料1.0pipsが他社よりも高いせいで、トータルの取引コストが高くなってしまっている。
XMがzero口座の取引手数料をあと0.2pips分だけでも安くしてくれたら、スキャルピング用メイン口座の第一候補になってくるだろう。
またXMzero口座はCFD銘柄に非対応。
天然ガスや原油、日経225などのCFD銘柄でスキャルピングしたい方もXMzero口座はオススメできない。
(マイクロ・スタンダード口座は対応しているが、スプレッドが広すぎてスキャルピング向きではない)
CFD銘柄もスキャルピングしたいならTitanFXやAxioryがオススメだ。
海外FX初心者がハイレバスキャルピング体験用でXMzero口座を使うのはアリ
XMzero口座は口座開設時点で3,000円分の未入金ボーナスが受け取れる。
このボーナスを使えば、自分のお金を使うことなくノーリスクでXMzero口座を使って取引できる。
海外FX初心者がハイレバスキャルピングってどんなものだろうと小手試しに使ってみる分には、XMzero口座は全然アリだ。
XMのストップレベルの広さもスキャルピングに向いていない理由の1つ
スプレッドともう一つ、XMがスキャルピングに向かないのはストップレベルの広さにある。
ストップレベルは通称”幅”と呼ばれており、現在の市場価格に対して最低限乖離しないと注文ができない値のことを指す。
例えばXMのUSD/JPYのストップレベルは40。
10=1pipsなので、40は4pipsということになる。
つまりXMでUSD/JPYを取引する場合、現在の市場価格から4pips以上離れた値でしか指値注文できないということ。
細かく値を刻んでスキャルピングできないのは痛い。
スキャルピング向きのブローカーだとストップレベルが0ということも珍しくないので、スキャルピング用のブローカーを探している際はスプレッドだけでなくストップレベルにも注目しよう。
XMでスキャルピングして口座凍結されてしまったという方へ
ネットの掲示板を見ていると「XMでスキャルピングして口座凍結された…」という声を見かけた。
しかし結論から言うと、これはスキャルピングが原因ではない。
口座凍結された理由として考えられるのは以下の2つ。
- XMの禁止取引に抵触してしまった
- 90日以上アクティブな活動がなかった
もし現在XMで口座凍結されているという方は確認してほしい。
XMの定めている禁止取引に抵触した
XMに限らずだが、各海外FX業者はそれぞれ”禁止取引“を定めている。
この禁止取引に抵触すると、口座凍結や利益取り消しなどの罰則が与えられてしまうのだ。
【XMの代表的な禁止取引】
●複数口座間での両建て
A口座とB口座という複数の口座を利用した両建て取引は禁止。
相場の変動が大きいタイミングで行うと、片方の口座はゼロカットで損失を抑えつつ、もう片方の口座で莫大な利益をあげれるからだ。
確実にトレーダーだけが勝てる手法のため、あらゆる業者で禁じられています。
●他業者間での両建て
XMとその他の業者を利用した両建ては禁止。
禁止理由は複数口座間での両建てが禁止されているのと同じだ。
●裁定取引(アービトラージ)
裁定取引はすべて禁じられている。
人工知能・AIを利用した自動売買の裁定取引、業者間のレート表示差を利用した取引も禁止。
●グループ内での両建て・裁定取引
FX仲間とグループを作成して、両建て・裁定取引するのは禁止。(グループAはドル円買い・Bグループはドル円売り)
過去にとあるグループがこの規約に抵触し、利益をすべて没収されて口座凍結という罰則を受けている。
●ボーナスやXMPの悪用
ボーナス現金化やXMPを稼ぐことを目的とした取引は禁止。
ボーナス現金化は当然として、XMPを稼ぐためだけに同一口座間で両建取引をするのも禁止となっている。
●接続遅延やレートエラーを利用した取引
要人発言や指標発表時にはアクセス集中の影響から、接続遅延やレートエラーが起こり得る。
このような状況での接続遅延・レートエラーを故意に利用した取引は禁止されている。悪質とみなされれば、利益没収のされるだけでなく、口座凍結される可能性がある。
●週明け窓を狙ったトレード
月曜の市場オープン時に金曜のクローズ値から、大きくレートが乖離することがある。(金曜クローズ価格と月曜オープン価格の間に大きな空白(乖離)があることを窓開けと呼ぶ)
窓開けを予想して、金曜クローズ時に複数口座間で両建てして稼ぐことは禁止だ。
スキャルピングのせいで口座凍結されたと勘違いしている方は、自分が上記に該当する行為をしていなかったか思い返してほしい。
90日以上アクティブ活動がなかった
XMでは90日間アクティブ活動(入金・新規注文・決済・ポジション保有)なしのアカウントは口座凍結される。
もし保有ポジションなしで90日以上口座を放っておいたのなら間違いなくこれが原因だ。
XMの口座凍結について詳しくは以下の記事を参考にしてほしい。
以上がXMでスキャルピングすることに対する管理人の見解だ。
おさらいしておくと、
- XMではスキャルピングOK
- ただし取引コストが高いので他社の方がスキャには向いている
- XMzero口座を初心者がボーナスを利用してハイレバスキャの練習をするのはアリ
といったところだ。
と、基本的にXMでのスキャルピングを否定しているが、もしXMの運営歴の長さ・安全性・使いやすさに魅力を感じるならXMzero口座を使うのはアリ。
まずXMzero口座でハイレバスキャルピングに慣れてきたタイミングで、より取引コストの狭いTitanFXやAxioryに乗り換えれば良いだけの話だ。
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